当時の人気テレビ番組「ここが変だよ日本人」よりオファーを受け、日本初のLGBTコメンテーターとして複数の番組で活躍、日本中を議論に巻き込んだ出演から早20年程。その出演により、全国から「救われた」など多数の感謝の手紙やFAX、電話などを頂き、学校などの講演にも呼んでいただきました。またテレビ局からも専属コメンテー ターのオファーも頂きましたが、本業専念の為、その活動から退いておりました。しかし最近、LGBTのなかに当然ある多種多様な意見に配慮せず、一部の考えをLGBTの総意であるかの如く活動している個人・団体もあり、LGBTの分断が顕著になってきたのを目の当たりにし、悲痛の思いに至りました。私たちマイノリティであるLGBTが常に心がけなければいけないのは「分断・排除」ではなく「団結・許容」であると考えます。そして、少数意見も尊重し、一人ひとりに耳を傾け、常に対話を試みていく必要があると考えていました。その為に、長年、様々な思想信条年齢の方が訪れ、本音の意見を聴けるバーというリアルな現場に身を置いてきました。

 

2011年の東日本大震災は、地元が仙台、宮城である私にとって、これまでの価値観を見直す大きなきっかけとなりました。もともと東北の沿岸部は、過疎化・高齢化という課題を抱えており、津波により更なる壊滅的な打撃を受けました。2015年に仙台で開催された国連防災世界会議でも「Build Back Better(以前よりも良い状態に再建する)」と謳われるなかで、 日々「復興」への思いは強くなり、そのためには何ができるのか考えていました。そもそも東北は他地域に比べ過疎化・高齢化が進み、雇用機会も減少の一途です。さらに被災により事業所数の減少と人口流出に拍車がかかっている現状があります。これに抗うためには起業促進、事業拡大、そして雇用機会の創出が不可欠です。

 

日本LGBT機構はこれらの諸課題に対し、

 

◾︎LGBT啓蒙・啓発:地域社会の中で、LGBTが安心して生活ができるよう支援を行うとともに、LGBTに関する正しい理解を促進することができるよう、啓蒙・啓発および情報発信を行い、社会的少数者も含めた地域で支え合う心豊かな社会づくりに貢献する。

 

◾︎『ダイバーシティからインクルージョンへ』権利や思想の垣根を越えた様々な価値観 を認め、対峙ではなく、一人ひとりの自分らしい貢献、誰もが活躍できる明るく前向きな雰囲気を醸成し、持続的成長に寄 与する。

 

◾︎『インバウンド促進』日本の特色ある歴史・文化、日本食の魅力を、LGBTアライからの評価を高め、適切にLGB Tマーケティングを行うことにより、人を引きつけ、躍動する仙台の魅力の発信、インバウンドを促進する。

 

◾︎巨大潜在マーケ ットへのアプローチ・顧客獲得:少子高齢化により縮小を続ける日本において、LGBT マーケットは拡大しており、今日では 7兆円を超えるとも言われ、米国では既に、約 105 兆円(Witeck Communications2015)。このマーケットへの

アプローチと 活性化により、企業の成長に貢献する。

という4つの柱を基に、仙台にて初のLGBTパレードを行います。

 

「仙台プライドジャパン2019」

仙台にしかできない、仙台だからこそできる手を取り合って共感を創造できる新たなイベントへ、ぜひご参加ください。

私たちの仲間には、リベラルから保守まで、様々な思想信条の方がおります。そして、それが普通の状態であると思います。まずは我々LGBTが率先してダイバーシティ＆インクルージョン（多様性と社会的包摂）を体現させねば、あらゆる思いは机上の空論になるのではないでしょうか?

 

その思いを震災を受けた我々東北の地から今後の良いモデルケースになるよう、全国へ向けて皆様とともに発信していきたいと考えております。
皆様のご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。